上杉氏時代

上杉氏時代

足利時代の始、関東の行政区割を、従来の坂東八ヶ国に更に二ヶ国を加へて、十ヶ国となせり。 即ち常陸、上野、下野、上総、下総、武蔵、相模、安房の八ケ国に、新に甲斐、伊豆の二国を附加せり。

後更に奥州、羽州の二国を合せて十二ヶ国を以て行政区域となせり。当時鎌倉幕府の勢力実に隆盛を極めたり。地理的天恵を有する軍事上の要地として、鎌倉に管領を置きて幕政を布き、又京都に室町幕府を開き、かくして足利将軍は武家政治の全権を握れり。